80代の女性におしりの筋肉の発達メインのプログラム

松尾タカシさんが、フィットネスクラブに勤務してた頃の話。ある80代の女性から「最近、立ったり歩いたりするのが不自由に感じるので、改善したい」という依頼があったそう。その女性の趣味はゴルフでしたが、普段はほとんど歩かない生活スタイルとのこと。松尾さんから見ても、立ったり座ったりする動作がスムーズとは言えなかったそうです。

当時は、歩くことがスムーズにできない人には大腿のトレーニングをメインに行うのがメジャー。しかし、大腿やふくらはぎなどを強化するトレーニングをしても、「立つこと」「歩くこと」に大きな変化が見られませんでした。そこで注目したのが、脚の付け根にある股関節をコントロールしているおしりの筋肉。この女性のマンツーマントレーニングのために用意したプログラムは「おしりの筋肉の発達」をメインとした内容。その頃は、おしりのトレーニング方法が今ほど確立されておらず、試行錯誤を繰り返しながらトレーニングを実施していきました。

立ったり座ったりがスムーズに。80代でもおしりトレーニングで変わる!

週1回のトレーニングを約3ヶ月続けた頃、その女性から「最近、なんだか立ったり座ったりすることが楽になってきたし、ゴルフに行っても以前ほど疲れなくなったよ」という嬉しい報告が!その変化によって、おしりのトレーニングの効果に手応えを感じ、さらに3ヵ月おしりの筋肉に特化したトレーニングを続けました。合計6ヵ月実施したトレーニングの結果、以前と比べて「立つこと」「椅子から立ち上がること」「歩くこと」がスムーズにできるようになるという明らかな効果が見られました。

立ち座り・歩きのカギ 股関節をコントロールするのがおしりの筋肉

人間の関節なかで、一番大きな関節は股関節。おしりは、その股関節にくっついています。おしりの筋肉が弱くなると股関節自体が安定せず、両端にあるひざや背骨の関節または筋肉に負担がかかってしまいます。本来は歩く時にかかる負担を股関節で処理するべきところが、おしりの筋肉が弱っていることで処理しきれず、その周辺にある関節や筋肉に負担が振られてしまっている状態になってしまっているのです。おしりの筋肉を鍛えるトレーニングをすることで股関節を安定させ、他の関節や筋肉への負担を減らすことが、立つ、歩くなどの動作をスムーズすることに繋がったと考えられます。